へんにゅうきろく(化学系)

そこそこの高専生がそこそこの大学を目指した結果と過程

筑波大の編入試験

私のラスト受験は筑波大でした。

筑波大を受けたのは、繊維大を第一志望にしていると3年次の担任に話したところ、「もうちょっと難易度の高い学校も受けてみたら?筑波とか」と言われたのがきっかけです。色々調べてみたら、違う学群の授業も選択できるという点がすごく面白そうだなあと思って、それだけを目当てに受験しました。

 

受験したのは、理工学群の化学類です。上述の理由でフワッと受験を決めたので、学類も「数学と物理の試験がない」という理由で決めました。基礎化学より応用化学のほうが好きなのに。今思えば完全にアホですね。

 

前乗りしましたが、まあホテルが駅から遠いこと。つくば市はやたらと道幅が広くて建物と建物の間が空いてるので地図上だとすぐそばに見えるのに歩いても歩いても着かない。7月半ばなのでめちゃめちゃ暑いし、着くまでに汗でビッチャビチャになりました。

 

 

試験問題はまあネットに上がってるのを見てもらうとして、とりあえず言えるのは「すげえ難しい」ってことです。特に無機化学がしんどい。分子の回転操作を行列で表す、みたいな、シュライバーアトキンスでも補足っぽい感じで出されていた問題がガッツリ出ました。あと物理化学も一生懸命勉強した熱力学は出ず、波動方程式がいっぱい出たので試験中脳内でずっと「マジか.....」って言ってました。辛かった。

 

そんなこんなで試験を終え、ホテルに戻って自己採点してみると、出来は4割ほど。正直、次の日の面接に行くのを躊躇うレベル。

 

筑波大の編入試験は土曜に筆記、日曜に面接なので、おそらく面接が始まる時点で選別はほぼ終わっています。他学科では、筆記の出来によって面接の部屋が違うという噂も....。

 

嫌だなあ、と思いながら面接に向かうと、部屋を分けるまではしていませんでしたが、やっぱり明らかに興味がなさそうな感じの面接官が。

面接官は6人ぐらいで、時間つぶしの質問を順番にしている、という感じでした。

「志望動機は?」

「なんでその分野が好きなの?」

「最近の卒研では何やってる?」

「その反応、黒板に書いてくれる?」

「好きな有機化学の反応とかある?」

「それも黒板に書いて」

とまあこんな感じで、やたらと黒板に書かされました。書いてる間は質問しなくていいからだと思います。

あと、質問に答えてる間に言葉を遮られて新しい質問をされたり。

面接は1人15分と決まっているらしく、興味のない面接官とやる気の萎えた受験生がひたすら時間をつぶすというしんどい空間が生まれました。

 

二週間後、合格発表を見るとやっぱり落ちてました。だろうね。あの面接の感じで合格させてたらツンデレにも程がある。

 

ちなみに受験者17名に対して合格者1名でした。

化学類はほぼ毎年1人しか合格させていないので、自分より強い奴が出てきたら即終了です。その割に色んな高専のトップ層が来るので戦いは困難を極めます。

 

 

ちなみに、筑波大はTOEICスコアを当日回収するシステムで、受験と受験の間が近い人には助かりますが、回収されたスコアは返ってこないので注意が必要です。

さらば私の720点........笑

 

 

京都工芸繊維大の編入試験

ごぶさたです。受験終わって卒研してバタバタしてたらもう10月。恐怖。


今さらだけど、京都工芸繊維大の物質工学課程を受けた時の話。


この学校は2年生ぐらいのときに見つけて、研究内容と立地が気に入ってずっと意識してた。

今年度から受験日が前倒しになり、長岡技科大と受験日が被って焦ったけどこっちを優先にした。


有機はブルースの上巻、物理は化学熱力学中心の基礎物理化学で対策をして、あとは学校で使った教科書を読んで挑んだ。口頭試問があるとかないとか噂には聞いていたけれど、出題範囲がわからないので特に対策はしなかった。


試験当日、会場にいたのは男女半々ぐらい。同じ教室で高分子と生物も試験を行った。試験内容については学校のHPで見られるのでそちらを参照してほしい。「これ電卓無しで解けないじゃん!」と思うかもしれないが、電卓は大学側から配布されたので安心していただきたい。取り扱い説明書も付いていたが、焦っていたので見ずに進めてしまった。最後の最後で時間が余り、「見る時間あったじゃん.....」と少し凹んだ。


二週間前に岐阜大で出題されて解けなかった範囲を復習して行ったらけっこう解けた。この二校は試験範囲がかなり近いのかもしれない。有機の問題で数問すっきり解けなかったが、8割ぐらいはいけた気がする。


午後の面接では、待機している間に教科書を読むのが禁止されていたため、かなり暇だった。ノートはどうなの?とかちょっと思ったけど、怒られても嫌なのでやめておいた。

自分は最初のほうだったからまだマシだったが、最後の人は数時間虚無顔で待機しないといけないのでキッツいと思う。小説本は読んでいいことになっていたので、受験番号が後ろのほうの人は持って行くべし。


面接の部屋に連れて行かれ、椅子に座ると、まずラミネートされた問題用紙を渡された。

核間距離とエネルギーのグラフが書かれており、平衡核間距離はいくつか?原子間に斥力が働くのはどの範囲か?なぜそう考えたか?という問題だった。

こんなんグラフ見たまんまやん、と思いながら一つ一つ回答すると、面接官からは「ふーん」みたいな何とも言えない答えが返ってきた。

物質工学課程の口頭試問はそれだけだった。

ちなみに、他の課程だともっとたくさん聞かれるところもあるらしい。怖っ。


面接で聞かれたのは、志望動機、興味のある研究内容とその理由、自己PRなど想定内の質問で、答えに窮することはなかった。しかし、話した内容について細かい質問を沢山受けたので、自信のないことは言わないほうが吉だと思う。

言ったことをやたらと肯定的に受け止めてくれるので話しやすかった。


面接後、大学の付属美術館で行われていたフランスのポスター展を観に行った。まさか受験に来てミュシャの大きなリトグラフを見られるなんて思わなかったので、それだけでも来た甲斐があったなあ〜と思った。入場無料なので、受験ついでに行ったらちょっとは楽しい思い出ができると思う。





岐阜大学の編入試験

自分がが受けた中で一番受験日が早かったのが岐阜大でした。

受験したのは、工学部の化学・生命工学科の物質化学コース。6月半ばにしてはやけに暑かったけど、試験会場はクーラー効きまくりで肌寒いほど。受けたのは8人でした。


工学部は、今年から推薦で取る人数と併願で取る人数を入れ替えています。これまで推薦:一般が2:1だったのが、今年から1:2になりました。また、来年か再来年から、英語の筆記が無くなってTOEICの提出になるそうです。色々変わってるんですねえ。

ちなみに岐阜大学は募集要項にシールやらハガキがくっついているので、要項が発表されたら忘れずに請求しましょう。

また、過去問は岐阜大学に直接行ってコピーさせてもらうか、高専の学生課を通して請求しないといけないのでけっこうめんどくさいです。自分は過去問を見ずに挑みましたが、かなりしんどかったので大人しく過去問を入手しに行ったほうがいいです。


試験の内容は、「英語」と、有機、物化、無機を引っくるめた「化学」です。


【英語】

専門英語が出るのかと思ってたら、全然違うのが出てびっくりした。長文読解×2。10問で100点の上に、かなり長い回答ばかり書かされるので書いていくうちに不安が積み重なっていく。環境問題に関する英文だったが、専門用語が多くて文章の意味が全然取れなかった。


有機化学

有機は光学活性を持つ化合物(酒石酸だったかな?)を書いてそのエナンチオマー、ジアステレオマーを書く問題と、化合物の命名をする問題があった気がする。

繊維大などの編入試験で必ず出題される「この反応の生成物を書け」みたいなのが一問もなくて凹んだ。あと他にも色々あったけど、忘れた。


【物理化学】

エントロピー求めたり仕事を求める問題があったりした気がする。あと何だったか忘れたけどラウールの公式を使ったような....。ほとんど公式そのまんま使えばいいので覚えてる問題はサッと解けたが、公式を忘れたら即終了。使い慣れた自分の電卓を持ち込めるのはありがたい。「束一的性質」と「自由エネルギー」について説明する問題があり、なんかモシャッとした文章を書いてしまった。


無機化学

これが一番困った。結晶格子についての問題はまあ色んなところで出るからいいとして、「これって分析化学じゃね?」っていうような計算問題が出た。でも後日調べたらちゃんとした無機の教科書には溶解度積とかも載ってることがわかった。絶対知ってるはずなのにスッと式が浮かばないので焦りが半端じゃない。


化学については高専の低学年で習った内容が主だった。ので、後半のほうばっかり勉強しても、勉強してた内容が全然出てこなくて焦る焦る。勉強してた割に、たぶん5〜6割ぐらいしか取れてない。ちゃんと解き直してないから知らんけど。



【面接】

午後からの面接は、面接官3人対受験生1人だった。

志望動機と、卒研の内容について聞かれた。卒研については結構詳しく聞かれたので、自分がちゃんと理解している範囲だけで話すのが吉だと思う。とはいえ、面接官の雰囲気がかなりフランクな感じだったので、そこまで怖くない。

あとは、勉強以外に頑張ったことと、それをやってて良かった具体的なエピソード。部活のことについて話したが、エピソードについては浮かばなかったのでフニャッとしたことを言った気がする。

面接中、成績証明書を見て「優秀な成績ですね」と言われたのがすごい嬉しかった。筆記はできなかったけど、これまでやってきたことが報われた気がした。英語の筆記試験が出来なかったので、話の流れの中でTOEICのスコアを無理矢理アピールした。後から考えればそんなアピール出来るようなスコアでもないのに恐ろしいことをしてしまった。



結局、筆記が全然取れなかったのと腰痛が爆発しそうだったのとでテンション下がったままホテルに帰った。岐阜駅前はけっこう栄えていたが、地元の名物らしき食材を使っているのは居酒屋ばかりで、結局お弁当を買って帰った。



【結果】

9人中6人が合格していて、自分もなんとか合格していた。落ちてるだろうと思ってたのでビックリした。今年度から推薦枠の人数と一般枠の人数が入れ替わりだったのでラッキーだった。



編入試験全部終わりました

はじめまして。某高専の化学系の学科の5年生です。


今日から受験生じゃなくなったので、色々と体験談を書いていこうと思います。ネットに体験記が上がってない大学ばかりを受験したので、私の経験が今後編入試験を受ける誰かの役に立てば嬉しいです。


3校分全部書いたらそれ以上更新しないので、コメント等は頂いても返信できません。ごめんね。